福井県立盲学校

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はり(鍼)、きゅう(灸)について

鍼(はり)は、肩こりや腰痛、筋肉痛などの整形外科的な症状にはもちろん、頭痛・生理痛、アレルギー体質の改善、内臓機能の調整など、幅広く治療に応用されています。

鍼と聞くと、「痛いのでは?」と考えられる方も多いのではないでしょうか。しかし、ほとんど痛くないんです。我々が使う鍼は、直径0.03ミリ前後、長さは3~4センチです。注射針と違って針の中に穴が空いていることもなく、出血しないのはもちろん、鍼をした日の入浴も可能です。鍼を体に挿入していくと、ズーンと重いような感じがすることがあります。これを「ひびき」と呼ぶのですが、これが鍼の気持ち良さなんです。患者さんの中にはこのひびきを好まない人もいますが、もちろんひびきの調節は行えます。

また、小児鍼といって皮膚に接触させるだけのもの、皮内鍼といって短い鍼を絆創膏で皮膚に貼り付けるものもあります。

鍼は原則として使い捨てですし、治療の前後に消毒を行いますので、感染の危険はありません。ほとんど鍼の副作用はありませんが、稀にだるくなったりすることがありますが、心配ありません。


灸(きゅう)は、血行の改善、体質改善、内臓機能調整、子供の疳の虫など、幅広く治療に応用されています。艾(もぐさ)が燃焼する時の香りによるリラックス効果も大きな特徴です。

灸は、古くから「やいと」という語で親しまれています。「やいと」というと、熱いのではないかという風に感じられる方も多いでしょうが、その燃焼温度の調節が可能です。

灸は大きく分けると、以下の2つの方法が用いられています。

1つ目は有痕灸といって、艾(もぐさ)を糸状から米粒大ぐらいに捻って直接皮膚の上で燃焼させる方法です。少し痕は残ります。

2つ目は無痕灸といって、熱と艾の香りのみの痕の残らないものです。ショウガやニンニクなどのスライスの上で艾を燃焼させたり、台の上や筒の中で艾を燃焼させる方法です。柔らかな熱刺激が皮膚に伝わるので、治療後も暖かな感覚が続きます。


はりも,きゅうも,ともに身体の外側から刺激を与える治療法です。そして,その刺激はコントロールされ,病気や症状にあった方法と刺激量が決められます。

東洋医学は,患者自身の持つ「自然治癒力」を高め,治療に応用する治療法です。はりやきゅうの刺激は,この「自然治癒力」を喚起し,身体自身が「癒されよう」とする方向へ働きかけるのです。これは本来の「医」の姿に通じるものがあります。「医」も,患者の「治ろうとする力」のお手伝いをするものですから。

私たちは,こんな東洋医学の治療法に誇りと自信を持っています。理療科の3年間に,この私たちの「思い」を伝えることが出来ればと願っています。

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