PDF版のダウンロード

学校評価書  学校関係者評価


令和2年度 学校評価書

教育課程・学習指導

具体的取組

 個に応じた指導体制を整え、児童生徒に主体的な学びを促すとともに、他者とのかかわりの中で生きる力を育む教育的支援を行う。

  1. 教科会や学部会を充実させ、教師間の協力した指導により学習効果を高める。
  2. 授業と家庭(学習)のサイクル化を図り、自ら学ぶ習慣を身に付けさせる。
  3. 他者とのかかわりを通し様々な体験や経験をすることで、生きた知識や技能を身に付ける。

成果と課題

  • どの取組についても判定基準を上回り目標が達成できた。特に、幼児児童生徒アンケートで「学校生活において人とのかかわりや体験を通し生きた知識や技能を身に付けることができた」に対し「十分」「おおむね」できたの回答が100%であり、コロナ禍の中でも教員ができる範囲での努力と工夫により学習環境、授業づくりに励んだ成果と考える。
  • a・bの取組についての教員・保護者アンケートの中に「あまりできなかった」の回答が1~2名あったことには課題が残る。次のステップへの改善策を講じたい。

改善策・向上策

  • 課題意識をもち、対話を重ねることで、学び合い、支え合える教師集団を目指す。更に、図書研究部と連携し外部講師を招いた研修会等を設ける。学びの場、対話の場を通し、教員同士の同僚性をより一層高めていきたい。
  • 家庭での学習をベースに授業で更に学びを深めるというサイクルの確立を目指す。授業のあり方や課題とその提供方法について研究し、主体的に学ぶ姿勢を促していきたい。
  • 授業計画について保護者の理解促進を図ると共に、連携して支援する体制づくりを築いていきたい。

生徒指導

具体的取組

学校生活を通して、社会性の育成に努める。

  1. いじめの未然防止や早期発見に努め、思いやりや助け合いの心をもって行動する幼児児童生徒を育てる。
  2. 幼児児童生徒の協同的な活動や行事への積極的な参加を促し、豊かな人間関係を育む。

成果と課題

  • 担任、養護教諭らと情報を共有し、幼児児童生徒の様子を速やかに把握できた。今年度も認知件数は0で、いじめを未然に防ぐことができた。児童生徒の9割が、「思いやりの気持ちや助け合いの気持ちもって行動できた」と回答しており、昨年度よりも高い割合となった。
  • 新型コロナウイルス感染症により、一学期の行事や活動が中止となったが、文化祭のプログラムに取り入れたり、12月にスポーツ祭を開催したりした。今後の状況によっては、これまで以上の感染防止策が必要になってくる。

改善策・向上策

  • 今後もいじめの未然防止、早期発見に努めるとともに、SNSでの誹謗中傷やコロナ禍でのいじめや差別などを絶対に行わないよう指導していきたい。
  • 児童生徒、保護者ともに学校行事や部活動に対する意欲、関心は高いと感じている。行事の見直しや児童生徒数の減少、障がいの多様化やコロナ禍により、生徒会活動は大きく変化してきているが、今後も児童生徒一人一人が役割を担い、個性が発揮できる機会や他者との関わりをもてるような内容を工夫していきたい。

進路指導

具体的取組

幼児児童生徒の自立と社会参加を目指し、関係機関と連携を深め、進路指導の充実を図る。

  1. 個々の進路目標を的確に把握し、ニーズに応じた情報収集と提供に努める。
  2. 関係機関と連携を図り、幼児児童生徒に必要な進路行事を計画的に実施する。

成果と課題

  • 幼児児童生徒、保護者個々のニーズや進路目標に応じて情報を収集したり、関係機関と連携を図ったりすることができたと自己評価した教職員が殆どだった。担任を中心に個々のニーズを把握することが適切に行われた結果と考える。今後は、追跡調査を行い、情報がどのように生かされているかについても確認していく必要がある。
  • 担任および関係教員の進路に関する取組が生徒・保護者の必要性に応じた内容だったため100%につながったと考えられる。今後、生徒や保護者が希望する進路に必要とする情報を把握し、適切に提供したり進路行事の内容をしっかりと検討して進めたりしていくことが必要だと考える。

改善策・向上策

  • 幼児児童生徒、保護者の進路希望を的確に把握し、多様なニーズに応じて各関係機関との連携を深めるとともに、本校に関する理解啓発を幼児児童生徒が関わる機関に向けて重点的に行うことを目指す。また進路情報の収集を行い、幼児児童生徒、保護者に必要な情報の提供を図るとともに、その効果についても検証していきたい。
  • 就労先の開拓と盲学校の啓発を進めるとともに、卒業後の生活や進路に役立つ情報等の収集に努め、進路だよりの内容や個々のニーズに応じた現場実習・職場体験実習等の受け入れ先を吟味していきたい。
  • 面談、懇談会等の機会を通して、生徒や保護者のニーズを把握し、それに応じた方策を講じたい。

保健指導

具体的取組

幼児児童生徒の生命を守り、健康を維持するための安全で衛生的な環境づくりを目指す。

  1. 安全点検や避難訓練を通して、安全の確保と防災意識の向上を図る。
  2. 保健・給食目標を理解し、年間を通して健康的な生活ができるように指導する。

成果と課題

  • 安全点検の意義について共通理解を図り確実な実施に努めた。また、児童生徒を対象に校舎内外の危険個所や場面についてアンケートを行い、安全の確保に努めた。
  • 水害に対する避難訓練を学校防災計画に加えたが、感染予防の観点から実施できなかった。それに代わるものとして防災チェックシートを作成し、防災意識の向上に努めた。
  • 感染予防のためのマスク着用や手洗い、換気の徹底を呼びかけた。また、新型コロナウイルス感染症の対応として、校内消毒マニュアル等の作成と実施、複数箇所でのスクール形式給食の実施や健康観察の徹底など、衛生環境の整備に努めた。

改善策・向上策

  • 水害を含めた避難訓練を実施する。また、学部や教科、クラス等の小集団を対象に、各集団の特性に応じた訓練を実施したい。
  • 本校が臨時避難所となった場合を想定し、感染症対策も含めた運営についての具体的内容を取りまとめ、学校防災計画に追加したい。
  • 感染症予防の観点から、引き続き手洗い、マスク着用、3密の回避、健康観察の徹底等について、学校医や危機管理委員会と連携し、実効性のある形で推進していきたい。

図書・研究

具体的取組

視覚障がい教育の専門性を高め、指導内容と幼児児童生徒の障がいとニーズに応じた授業づくりのため、研究・研修を推進する。

  1. 専門性チェックシートを活用して、視覚障がい教育における専門性の向上に努める。
  2. 専門研究部と連携を図り、視覚・情報支援機器等の活用に関する研修機会の確保と、情報提供に努める。

成果と課題

  • 教職員の専門性向上への取組については昨年度、実施した専門性自己チェックシートについて、本年度の研修・研究に役立てるとの方針のもと、各専門研究部において専門性を深めていただいた結果と考える。
  • 視覚障がい教育の専門性を生かした授業づくりについても授業研究部や専門研究部の取組の成果が表れていると考える。
  • 生徒の支援機器等の生活や学習への活用については、情報支援機器等の利用が定着しつつある成果が表れていると考えている。

改善策・向上策

  • 専門性自己チェックシートについて、教職員自身の専門性向上の指標となるよう引き続き活用を促し、Aの回答の割合をふやしたい。
  • コロナ禍のなかで集合研修の開催は難しいが、オンラインやYouTube視聴、あるいはミニ研修会など、開催方法を工夫し、今後も研修を実施していきたい。

教育相談

具体的取組

関係機関と連携し、地域の幼稚園・保育園・学校、視覚に障がいのある乳幼児児童生徒に対する支援センターとしての役割を充実させる。

  1. 子どもの視機能や発達の様子、ニーズを踏まえ、見え方や支援の方法について保護者や在籍校に的確に分かりやすく伝える。
  2. 視覚障がい教育への理解を図るため、校内や関係機関と連携し計画的に啓発活動に努める。

成果と課題

  • 今年度前半はメール等も活用し、教育相談の機会を設定した。未就学児の保護者からは「視覚支援や子どもへの接し方を知れた」学齢児保護者からは視覚支援補助具練習を通して「見ることの楽しさがわかってきた」などの声があり、それぞれのニーズにあった教育相談を評価いただいた。
  • 特別支援学校教職員からは「継続的な相談ができた」「こどもがものを見る時間が長くなった」という声の他、高校教職員からは「引き続き進路関係の情報がほしい」との要望があった。
  • 感染症対策のため今年度後半から啓発活動を行った。学校ホームページの教育相談紹介内容の検討を部内で行い更新を行った。以前からの啓発活動の成果で乳幼児の来校相談が増加している。

改善策・向上策

  • 保育園関係職員から「来校相談の報告内容を園での活動内容に生かすことができた」とあったが、巡回・来校相談の報告に必要な情報は発達段階や相談歴などそれぞれ違うため、報告・記録の方法もニーズに合わせて作成していきたい。
  • 今後も幼稚部の教育活動と連携した早期支援を行い、校内外と連携して進路情報収集に努めたい。
  • 来年度はホームページの内容更新を行う他、今年度あまり行えなかった嶺北地区への啓発活動を行っていきたい。

寄宿舎

具体的取組

集団生活の中で個性を大切にしながら、コミュニケーション能力を高め社会性を培う。

  1. 交流の機会を増やし、協調性やコミュニケーション能力を育てる。
  2. 一人一人の課題に応じて、基本的生活習慣の習得を目指した支援を行う。

成果と課題

  • 新しい生活様式の中、密にならないよう時間をずらすなどの対策をおこなったことで互いに声を掛け合い、相手を思いやり助け合う姿勢がみられた。また、個々の役割を果たし、協力して舎内活動や行事ができたことで舎生自身の高い自己評価につなげることができた。
  • 舎生の情報を舎生会議や毎日の引継ぎで共有した。また、支援目標に沿った指導員研修をおこなったことで、支援につなげることができ目標を達成することができた。
  • 舎だよりでは行事の様子や支援目標に沿った取り組みを掲載し、詳しく伝えることができ、保護者の評価につなげることができた。

改善策・向上策

  • 今後も指導員研修や舎生会議、引継ぎを通して、舎生の課題と支援方法を共有し、基本的生活習慣の習得に取り組みたい。また、保護者へも積極的に発信していきたい。
  • 今後も新しい生活様式の中でできる舎内活動を検討し、舎生一人一人が自分の立場や役割を考え協力して寄宿舎生活や活動ができるよう働きかけていきたい。

人権教育

具体的取組

 児童生徒の人権感覚を育むとともに、他者とのかかわりの中で人権意識の向上を図る

成果と課題

  • 教員を対象としたYouTube視聴による人権研修を開催し、部落問題をはじめとする様々な人権問題について学習した。
  • 幼児児童生徒と教職員が、学校行事や特別活動の場を通して、お互いを尊重するとともに助けあいを通して、人権感覚を育むことができた。

改善策・向上策

  • 今後も職員研修等を通して、人権意識の啓発と教育活動における人権擁護の実践に取り組んでいきたい。
  • 幼児児童生徒が自己肯定感を高め、互いを尊重し合いながら成長できるよう、学校行事や特別活動を中心に指導していきたい。

学校関係者評価

【問】

  • 学校評価書の成果と課題について適切かどうか。
  • 成果と課題を踏まえた今後の改善策・向上策が適切か。

【意見を伺った方】

  • 福井県盲教育振興会 会長
  • 本校PTA 会長

【御意見】

<教育課程・学習指導>

  • 保護者への理解推進を図るため、懇談や通信を通し丁寧に実態と配慮・支援内容を伝え、理解してもらうことで、学校側と保護者が同じ方向を見て幼児児童生徒の学びを支えることが重要である。
  • 教員側の「あまりできなかった」の理由を、厳格な自己評価として捉えるのでなく、「支え合える教師集団」づくりへと、改善策を講じることは評価できる。

<生徒指導>

  • SNSでの誹謗中傷やコロナ禍のいじめや差別については、人権教育と連携した取組が必要である。
  • 保護者アンケートの結果が、「おおむね」の答えが多いが、それについては、コロナ禍の中で十分な活動(行事等)ができなかったという点を踏まえての「おおむね」と評価した結果ではないか。

<進路指導>

  • 幅広く取り組んでいるという感じがする。多様な生徒に対して、最終的に進路指導は、個別的な対応が重要となる。そうした際に、幅広く取り組む中でも、教員自身が住んでいる地域とのつながりをいかに強めていくかが大事な課題だと感じている。

<保健管理>

  • コロナ禍の中で、検温や消毒の徹底、給食の際の席の配置の工夫や会場の分散など、しっかりとした対策がとられている。
  • 危機対応マニュアルの中で、家族の発熱に際した幼児児童生徒の出席停止の対応は、保護者自身にとっても安心でき良いと感じた。本校の幼児児童生徒の実情から、対応が厳しすぎるくらいでちょうど良いのではないか。

<図書・研修>

  • ICTを活用した授業づくりなど、日本のトップを走る研究と実践もあり非常に素晴らしい。教員が生き生きと取り組んでいることが、子どもの生き生きとした表情に表れてくる。
  • 視覚障がい教育の専門性チェックシートができたことで、個々人が自身の専門性のレベルについて確認することができ、そのことによって研鑽を積んで子どもに向き合えることの意義は大きい。

<教育相談>

  • 進路情報の収集として、小中への就学を見据えての就学先・進学先の情報収集にも力を注ぐことが重要である。

<寄宿舎>

  • 寄宿舎内においての配慮、例えば男女の風呂場に掲げられた表示など、ワクワク感を引き出す工夫と配慮がされており、温かみを感じる。
  • 寄宿舎便りについては、支援目標に沿った取組を掲示しているのは、保護者にもわかりやすく、良い取組だと思う。

<人権教育>

  • 今後は現代社会の問題として上がっている身近な課題に焦点を当てて取り組んでいってほしい。

<全体的を通して>

  • カラーでグラフ化されたアンケート結果が非常に見やすくて、良い。
  • 盲学校は視覚障がい教育の専門校であり、視覚障がいに対して専門性の高い教員は多い。しかし、肢体不自由や学習障がいなど他の障がいに対しても、更に専門性を高めていってほしい。書字・読字障がいの子どもに対しての教員の理解と指導力を高め、相談にも応じられるような盲学校となってほしい。
  • ホームページなどのトップページは、非常に重要な役割を果たす。背景を工夫したり、校内の特徴的なところをクローズアップしたりして、掲載内容を工夫していただきたい。
  • コロナ禍で活動が思うようにできなかった中でも、「わたぼうし音楽祭」などの全国的な場での表彰など素晴らしい功績がある。理療教育・普通科教育の中で、自分を表現する素晴らしさがきっちりと育っていることの証しだと思う。子どもの笑顔を支援していけるような視覚障がい教育をこれからも実践していけるように期待している。

【学校関係者評価を踏まえた今後について】

  • 具体的案を検討し次年度につなげたい。
  • 本校の取組と培ってきたスキルを生かし幼児児童生徒の育成と地域での啓発活動に励みたい。