視覚支援器機紹介
視覚支援用具展示室を開設しました。
視覚に障害のある人の見えない・見えにくさを補い、学習や生活を支援する用具・機器類を5つのグループに分け、展示・公開を行っています。
- 書くことを支援する用具
(点字タイプライター、見やすいノート・定規など) - 見る・読むことを支援する用具
(拡大読書器、ルーペ、単眼鏡など) - 聞くことを支援する用具
(DAISY録音再生機、骨伝導ヘッドフォン、ボイスレコーダーなど) - 移動を支援する用具
(白杖、音声コンパス、ライト、ツインアンブレラなど) - 生活全般を支援する用具
(裁縫用具、調理用具、おもちゃ、時計など)
本校や教育相談の児童生徒のみなさん、そして保護者の方々に様々な用具・機器を紹介し、活用していただいています。
また、点字の読み方と書き方、視覚障害者用ブロック(点字ブロック)などについての説明や、点字のついた商品、本校で使用している点字・拡大教科書や学習教材なども展示しています。交流学習で来校した小学生のみなさん、ボランティアのみなさん、介護等体験の大学生のみなさん、多くの参観者の方々に、展示室を見学していただき、本校の活動や視覚障害について理解や関心を深めていただくことにもつながっています。
視覚支援器機の写真はこちらを御覧下さい。
点字についてはこちらを御覧下さい。
書くことを支援する用具[点字用]
点字器(てんじき)
昔からある点字を書く道具です。板(点字盤)に点字用紙をセットし、点字定規ではさみ、1点ずつ点筆で打っていきます。標準型点字器のほか、折りたたみ式やはがき専用、小型の点字器もあります。持ち運びに便利です。点筆は、大中小の大きさがあります。
点字タイプライター
点字を書く道具です。点字の6つの点をそれぞれ書くためのキーがあり、点字1マス(複数の点)を同時に打つことができます。頑丈で使いやすく、書いた点字をすぐに確認することができます。盲学校で多く使われています。
レーズライタ―(表面作図器)
専用用紙をはさみ、上をボールペンなど先が固くとがったものでなぞると、その部分がそのまま盛り上がります。自分で書いた線や図形などを触って確認することができます。
触読用(しょくどくよう)定規・三角定規・分度器・ぶんまわし(コンパス)
目盛りが盛り上がっていて、さわって長さや角度を確認できます。固定するための穴とピンがついていて、レーズライターを使って平行線や垂直線、円や三角形などの図形を書くこともできます。
書くことを支援する器具[弱視用(じゃくしよう)]
見やすいノート
罫線が太く濃く、行間が広いため、見やすいノートです(行幅は12mm・24mm、罫線色は茶・青、大きさはB5・A4判など)。罫線ノートのほか、方眼ノート(太いマス目)やルーズリーフ用紙、レポート用紙もあります。白い紙ではまぶしくて見にくい人のために、黒い紙のノートもあります。この場合、白色マーカーやボールペンで書きます。
生徒が使うペンは…
濃く書けて、においがなく、紙に書いてもにじみが少なく、裏うつりがしないボールペンやサインペンを選んで使っています。超極太ボールペンや太芯のシャープペンなどもあります。近年、盲学校で人気があるものは消せるボールペンです。
見やすい定規・三角定規・分度器
黒い定規に白い文字で目盛りと数字が書かれていて、はっきりと見やすくなっています。ゼロの位置にストッパーがついている定規は、線を引くときに便利です。端がゼロになっている定規は長さを測りやすいです。分度器は中がくり抜かれていて線が見やすいです。
レターガイド、サインガイド
文字をまっすぐ書いたり、読んだりするのに便利な枠です。縦書き・横書き用があり、両面が白と紺色のリバーシブルで使い分けできます。
はがきや封筒の宛名書き用や署名(サイン)用の枠もあります。サインガイドは、氏名欄に名前をまっすぐ、大きさを整えて書くことができ、ハンコ用ガイドもついています。
テープのり
本体に紙をさしこみ、軽く握ってそのままスライドすれば、のり付け完了です。使い方が簡単でぬりムラがなく、手や周りを汚さないため、使いやすいです。
色つきスティックのり
ぬったところがよくわかる、濃いブルー色のスティックのりです。色は、しばらくすると消えるので、通常と同様の作業をすることができます。
書見台(しょけんだい)
見えにくい人は、目をかなり接近させて文字を読み書きすることが多く、姿勢が悪くなってしまいがちです。この書見台を使うことで、前かがみにならず自然な姿勢のまま、読みたいものを視野に近づけることができます。また、手元が明るくなり、読み書きしやすくなります。盲学校でも、教科書を読んだり、ノートを書いたりするときに使われています。
見る(読む)ことを支援する用具
机上の本の文字など、近くのものを拡大して見るときに使います。机の上に置いて使う卓上式、手にもって使う手持ち式、ポケットに入れて持ち歩ける携帯式などのタイプがあります。ライト付きもあります。倍率もさまざまで(2~10倍程度)、使用する場所などに応じて使い分けています。
単眼鏡(たんがんきょう)
遠くのものを見るときに使います。両方の目を使って見る器具を「双眼鏡」といいますが、これは片方の目で見るので「単眼鏡」とよびます。盲学校の生徒たちは、黒板の文字を見るときなどに使っています。校外では、信号機、バスの行き先や時刻表などを見るときに使います。
拡大読書器(かくだいどくしょき)
文字や絵を拡大してモニターに映し出す装置です。簡単に高倍率の画像が得られ、自分の見え方にあわせて画像を調整することができます。テレビのように大きな画面の据え置き型や、カバンに入れて持ち運びできる携帯型があります。盲学校では、教科書などを読むときに使われています。ノートなどを画面で拡大しながら書くこともあります。
移動を支援する用具
白杖(はくじょう)
安全に歩くため、目の働きを補う役目をします。杖の先に障害物や段差、溝などがないか確かめながら歩くことができます。周りの人に視覚障害者であることを知らせる役割もあります。
ラ イ ト
暗いところを安全に歩くため、フラッシュライトとよばれる強力な懐中電灯を使うことがあります。道路の白線やガードレール、電柱やポールなどの目印となる物を確認でき、自動車の運転手からもわかりやすくなります。光の点滅で知らせるキーホルダー型のライトもあります。
音声コンパス(方位磁石)
知りたい方向に向けてボタンを押すと、音声で方角(8方位)を知らせてくれます。
ツインアンブレラ
楕円形に広がる傘で、手引きをしてもらうガイドさんと二人で入っても雨に濡れにくく、安心して歩けます。折りたたみ式もあり、小さくたためます。
生活全般を支援する用具
- 音を聞いてわかる
- 手で触ってわかる(点字つき、凹凸つきなど)
- 見た目がわかりやすい(大きな文字、コントラストがはっきりなど)
- 操作がかんたん、使いやすい
日常生活で、いろいろな作業が円滑にできるようになったり、生活がより楽しくなったりする便利グッズがいっぱいあります!
時計
- 音声式時計:音声で時刻を知らせます。アラーム機能やストップウォッチ機能がついているものもあります。
- 触読式時計:針先と文字盤の目盛を触って時間を確かめます。
調理用品
- 白黒まな板
- 黒い茶わん、しゃもじ
- 計量カップ:200、100、50cc
- 計量スプーン:大、小、小1/2、小1/4さじ
- 醤油差し:約3ccずつ、こぼれない
- 音声キッチンばかり
- 音声ガイド付き電磁調理器
おもちゃ
- 音が出るボール バスケット、バレー、サッカーボール、卓球
- 見やすい、ビッグトランプ 文字とマークが大きい
- 触って遊べるオセロ マス目が浮き出ている 触って駒の裏表の区別がつく
生活に役立つもの
- 音声体温計、音声電卓
- らくらく糸通し器
- セルフ針(針穴の先端に切り込み)
- 安全爪切り、爪やすり
- 小銭が区別できる財布
- 拡大ミラー