平成 23 年度 福井県立盲学校 学校評価書
教育課程・学習指導
具体的取組
個別の指導計画の活用を通して,個々のニーズに対応した学習指導の実践を推進する。
- 個別の指導計画を活用し,幼児児童生徒のニーズに対応した授業作りに取り組む。
- 個別の指導計画の意義について確認するとともに,授業実践に活用する。
- 幼児児童生徒の実態に応じた個別の指導を展開し,学習の成果を実感することができる授業作りに努める。
- 学習場面において,一人一人のニーズに対応した授業(試験や配布物の使用文字や視覚障害支援ツールの活用)を実践する。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- 個別の指導計画を活用し,個々の幼児児童生徒のニーズに対応した授業作りが定着してきている。@について,「A十分に取り組むことができた」が約 30%,「Bおおむね取り組むことができた」が回答の約70%との結果であった。しかし,@の結果に比較し,Aの結果において「A十分に活用することができた」が約 20%,「B おおむね活用することができた」が約70%,「Cあまり活用することができなかった」が約10%となり,取組がそのまま実践という成果につながらなかった。今後は,個別の指導計画の活用事例を職員間で共有し,より実践に結びついた授業作りに向けた取組が必要である。
- Bの保護者とCの高等部生徒のそれぞれの満足度指標も,「A 十分に…」が約 60%,「Bおおむね…」が約40%という結果となり,所期の目標を達成することができた。
改善策・向上策
- 個別の指導計画に基づいた授業実践をより推進していくためにも,幼児児童生徒のニーズを,より正確に把握することが求められる。そのうえで,様々な視覚障害支援ツールを活用し,視覚障害特別支援学校通して専門性の高い授業作りに向けて,専門研究部や授業研究部での研修・研究の成果を共有し,その維持継承に向た取組を推進していきたい。
生徒指導
具体的取組
幼児児童生徒が学校行事や生徒会活動に意欲的に取り組めるよう一人一人の課題に応じた支援をする。
- それぞれの活動で一人一人の課題に応じた支援をする。
- 幼児児童生徒が,学校行事や生徒会活動に積極的に取り組む。
- 幼児児童生徒が,それぞれの活動に満足している。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- @は昨年度と同様の高い判定結果で,教職員一人一人が幼児児童生徒の実態と課題を把握しながら,日常的・意識的に支援をしている様子がうかがえる。
- Aについても,昨年度と同様の高い判定結果を得ることができた。幼児児童生徒の実態に即した活動の工夫や生徒会活動を始めとした生徒の主体性を尊重した支援などの成果であると考えられる。
- Bについては100%という判定結果を得ることができた。保護者が幼児児童生徒の活動の様子を十分理解し,満足している様子がうかがえる。
改善策・向上策
- 来年度も,幼児児童生徒一人一人の実態や課題を踏まえながら,全員が活躍できる場面や活動を工夫していきたい。また,幼児児童生徒が活動への理解を深め,意欲的に活動に取り組み,達成感や満足感が得られるよう,丁寧できめ細かな支援を行っていきたい。
- 保護者に対しては,引き続き,行事への積極的な参加を呼び掛けたり,学部・学級通信や担任を通じて随時活動の様子を知らせたりするなどして,理解を深めていきたい。
進路指導
具体的取組
面談,見学会,施設体験実習,職場実習などを通して,生徒や保護者の進路に対する意識を高め,設定した進路目標に向けて個別指導を充実させる。
- 生徒や保護者に,進路に関する的確な情報を提供し,設定した進路目標に向けて個別指導を行う。
- 進路について,担任・家族との話合いや見学会・実習などの体験を通して,進路目標が定まっている。
- 幼児児童生徒の状況や,ニーズに応じた個別の進路指導が,担任を中心に段階的に行われている。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- @については,回答者を中学部3年以上の担任から今年度は全ての担任に変更した。判定結果が昨年度を下回ったのは,低学年における進路指導の困難さと考えられる。
- Aについては,昨年度並みの判定結果で,進路について考える機会は確保されていると思われる。
- Bについては,今年度判定基準を変更した。判定結果は目標指数を上回ったが「C あまり行われなかった」の回答を更に減少させる取組が必要と考えられる。
改善策・向上策
- 幼児児童生徒のニーズに応じた進路指導の充実を図り,進路の実現を図るため,保護者との連携を更に深めていきたい。
- 判定結果を高めるため学部との協力体制を密にし,一層の充実に努めたい。
保健管理
具体的取組
保健委員会の活動を通して,健康管理への関心を高め,日頃の健康に気を配ることができるように指導する。
- 保健委員に保健指導を徹底する。
- 保健委員会の活動内容を理解し,日頃の健康に気を付ける。(自己管理)
- 本人の健康に関する意識や態度の変容が分かる。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- Aについては,今年度は判断基準の内容を「食生活の見直し」へと
広げたが,目標を大幅に達成することができた。今年度は判断基準の内容(朝食をしっかりとる)を,保健委員会の活動の標語募集のテーマとして取り上げた。
その効果もあり,生徒たちは学校生活の中で日頃の食生活に気を付けるようになってきた。
- Bについては,約15%の保護者が子供の変容が「C あまり分からなかった」という回答であった。これは,判断基準の質問項目が具体的に表記されていなかったためと思われる。
改善策・向上策
- 来年度も,日頃の健康を目指して保健委員の生徒が主体的に活動できるよう配慮する。(給食後の連絡会等で,健康管理の呼びかけの指導を徹底する)
- Bの判断基準の質問項目の表記の仕方を,保護者が回答しやすいよう具体化する。
図書・研究
具体的取組
単障部・理療部・重複部の3体制による授業研と従来の六つの専門研による研究活動を推進するとともに,全体研修の充実を図る。
- 進んで授業研や専門研に参加し,意欲的に取り組む。
- 単障部・理療部・重複部の3体制による研究活動や全体研修が効果的に行われている。
- 視覚障害教育の専門性(点字,白杖歩行,ロービジョン補助具や情報機器の活用,個に応じた環境設定など)が授業や日常生活指導などの教育活動に効果的に生かされている。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- @について,授業研と専門研それぞれについて尋ねた昨年度の回答結果とその割合がほぼ同じ傾向であった。単障部・理療部・重複部の3体制となっても,研究活動に対する教員の意識,意欲が定着してきていると捉えてよいと考えられる。
- Aについて,95%近くの高い数値が得られたものの,評価の観点の「効果的に」がどう解釈されているのか,また,判断基準の「B 部分的に行われた」の捉え方が,体制面か内容についてか数値からだけでは読み取れない。
- Bについては,昨年度に比べて,「A 生かされている」の判断が倍近く伸び,保護者や生徒から研究・研修の取組が更に評価されていると考えられる。一方,「D 生かされていない」の回答者が1名いたことについて,取組への不満があることも認識しなければならない。
改善策・向上策
- 数値から読み取れなかった内容については,専門研や授業研,各学部等からの反省・意見を集約する中で検証し,来年度の研修・研究体制を検討する。
- 課題となった保護者・生徒への満足度指標については,結果を真摯に受け止め,授業の在り方を見直し,より一層努力していきたい。また,自立活動等の啓発をより綿密に行うとともに,視覚障害者用の各種機器・用具等を広く紹介するなどして理解を促していきたい。
- 今後も,単障部・理療部・重複部の3体制を定着,活性化させ,視覚障害教育の専門性の維持向上を図っていきたい。
教育相談
具体的取組
相談児生の在籍する地域の幼・保・学校等への訪問相談や電話相談,また,学校公開などを通して,相談活動の充実を図る。
- 教育相談児生の在籍する幼・保・学校等に対して,ニーズに応じた具体的な情報を用意し,丁寧な相談活動(訪問相談・電話相談・学校公開など)を行う。
- 盲学校の相談活動から得た情報を,子供たちの支援に役立たせる。
- 盲学校の相談活動によって,教員や学校のニーズに対応した相談を受ける。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成し,「A」+「B」が全て100%という結果を得ることができた。
- @については,部員それぞれが諸学校等に対して丁寧で分かりやすい相談を目指す意識を持って取り組めたと考えられる。
- Aについては,訪問相談や学校公開において資料を用意したり体験や研修を行ったりして,より具体的な情報の提供を図ってきた。しかし,「A 十分役立った」が100%に満たなかったのは,その時々の子供の状態もあり,全ての情報を支援に生かし切れないということも考えられる。
- Bについては,訪問先で常に支援会議や懇談の時間を設定し,十分な話合いを持ちながら相談に取り組めたことが理解につながったと考えられる。
改善策・向上策
- 部員一人一人が意識を持ち誠意ある対応を心掛けて相談に当たることが,相談活動の充実につながると考える。今後も部員間での共通理解を持ちながら相談に当たる体制を継続し,より一層相談の充実に努めたい。
- 視覚障害についての理解をより具体的で細かい場面を通し伝えていくことにより,学習場面での子供たちの支援に即座に生かせるような情報の提供を目指したい。
- 今後も,学校や担任との話合いを十分に持ち,記録や資料の準備を丁寧に行い,より一層ニーズに対応した相談を心掛けたい。
寄宿舎
具体的取組
寄宿舎と学校,家庭の連携を密にし,生活体験の拡大を目指して,一人一人に応じた支援をする。
- 一人一人の課題に応じた支援をする。
- 必要な支援を行い一人一人の課題を達成する。
- 本人はニーズに応じた寄宿舎生活をしている。
成果と課題
- どの項目も目標指数を達成することができた。
- @について,目標や課題等を保護者,児童生徒と意思の疎通を図りながら決めたことで達成できたと考えられる。
- Aについては,昨年度は80%であったが,研修や会議等を重ねたことで100%となり達成できたと考えられる。
- Bについては,評価の観点を変更したが,保護者の回答が3年連続100%となり,保護者の方には満足していただいている。
改善策・向上策
- 来年度も今年度の結果を踏まえ,保護者への情報提供を行うことや,寄宿舎行事に参加していただくことによって,更に連携を密にしていきたい。また,研修や会議等で幼児児童生徒の理解を深め,より良い支援を行っていきたい。
平成 23 年度 福井県立盲学校 学校関係者評価書
御意見を聞いた方
教育課程・学習指導
- 22年度よりも目標指数の達成度が良くなっています。教員の指導が徹底している結果であろうと思われますので,今後とも専門性の高い授業づくりに取り組んでいただきたい。
- 大変熱心に指導されていると感じています。重複生への指導もしっかり対応がなされていると思われます。また,生徒たちの学ぶ力もついてきているのではないかと思います。
生徒指導
- 生徒達は,意欲的に学校・学部行事に参加しているように伺えます。
- 文化祭,体育大会も自分達で考え,生徒会活動にも積極的に参加しています。その結果として,近畿地区大会でのグランドソフトボール大会や水泳大会,フロアバレーボール大会,卓球大会で多くの入賞があったのだと思います。
- 生徒たちが参加できる場を広げていくことは大切だと思います。部活動についても,できる範囲内で続けていって欲しいと思います。
進路指導
- 保護者の進路に対する意識は非常に高いものと感じています。
- 施設見学会や施設体験実習,職場実習をとおして,生徒や保護者の進路に対する意識が高まってきたように思います。今後より連携を密にして,機会ある毎にニーズにあった進路指導をしていただき,進路情報もいろんな形で保護者に伝えていただきたいと思います。
保健管理
- 毎年きちんと保健管理に関する活動をされていると思います。
- 日頃健康に気をつけるということで「朝食をしっかりとる」という標語などを募集した取組は良いと思います。ただ,食べることの大事さを理解しているが,実際の生活の中で十分実行されていないところがあるようなので,今後もふだんの生活の中で意識づけが必要に思います。
図書・研修
- 教職員が専門研究部と授業研究部(単障部,理療部,重複部)で視覚障害に対し,より熱心に研修・研究されていることを知りました。
- 視覚障害教育の専門性が授業や日常生活指導などに効果的に生かされていると思われますが,より各種機器・用具等を広く紹介していただきたいと思います。
教育相談
- 教育相談はA+Bがすべて100%であり,盲学校の支援センターとしての役割をしっかり果たしていると感じられました。
- 教育相談のアンケート実施回答者が訪問校の教職員のみだけであったが,保護者がどういうふうに思っているのかを知る意味でも,保護者のアンケートがあっても良かったのではないかと思います。
寄宿舎
- 新しく入舎した生徒達は寄宿生からいろいろと寄宿舎の良さを聞いていると予測されるので,寄宿舎生活が充実している事は確実のようです。それぞれのニーズに応じた寄宿舎生活をしていることが伺えました。
- 寄宿舎と学校,家庭の連携を密にして,これからも多くの情報提供を行って欲しいと思います。
全体(総括)
- できるだけグループウエア等で連絡事項を流し,前もって会議の内容を知らせておくことで会議の時間を減らし,生徒の指導時間を確保していることは評価できます。できるだけ仕事内容を精選してスリム化する努力を続けて欲しいと思います。
- 業務の配分に偏りが出ないように,業務をバランス良く配分する努力をして欲しいと思います。
- 個別の指導計画については,今後見直しをしていく中で,効果的な指導のあり方を検討していって欲しいと思います。
- 重複生の場合,指導には時間がかかります。小さな成長を見逃さずに指導を行っていって欲しいと思います。
- 学校評価として具体的取り組みの結果がすべて目標を達成したことは,先生方がよく努力されてきたことの結果だと思います。また,結果を受けた改善点もきちんと出されており,特段の問題はありません。
校関係者評価を踏まえた今後について
- 来年度のスクールプランの策定に向けては,本年度の結果に基づく改善策・向上策を参考にしながらも,これまでとは異なる視点や取り組みも取り入れていきたい。
- 校務処理で学校が変わっても使えるようになるシステム導入の方向があり,少しは多忙化を解消できるのではないかと思われる。多忙化への配慮をしつつ,これまで以上に子どもたちと向かい合える時間の確保に努めていきたい。
- 質問の意味が分かりづらかったという部分があったので,もう少し具体的なものにすべき点があった。また,数値だけでは読み取れなかった内容については,今後各学部等から意見を聞いて検証していきたい。
- 結果の分析にあたって,少ない母数のなかでパーセント表示だけで判断するのではなく,少数意見も十分考慮していくことが求められる。