福井県に1校

福井県立盲学校は、平成25年に創立100周年を迎えた、伝統ある学校です。福井県に1校しかないので、県内から生徒が集まってきています。そのため、寄宿舎があります。家が遠い人は、寄宿舎で生活しています。月曜日に学校に来て、金曜日に家に帰ります。

東京都や大阪府のように人口が多いところ、北海道のように広いところでは、2校以上の盲学校があります。


見る力が弱い人、ない人のための学校

盲学校では、見る力(視力)が弱い人や目の見えない人やが学んでいます。見る力が弱いといってもいろいろです。目を近づければ見える人や、見える範囲が狭い人、マジックで書いた太い文字が見える人、光がわかる程度の人など、さまざまです。

そのために、いろいろな方法で学んでいます。点字を使って学んでいる人もいれば、大きく太くした文字で学習している人もいます。みなさんと同じ教科書を使っている人もいます。

実は、見えない人よりも見える人の方が多いのです。
  


幼稚園、小学校、中学校、高等学校がいっしょ

盲学校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部があります。高等部には、普通科と理療科があります。幼稚部、小学部、中学部、高等部普通科は、普通の学校と同じです。高等部理療科は、あん摩、マッサージ、鍼灸師を目指す学部で、10代後半から50代までの幅広い方々が勉強しています。


何を勉強しているの?

みなさんと一緒です。国語、算数(数学)、生活、社会、理科、保健体育、技術・家庭、図工(美術)、音楽、英語、総合的な学習の時間など、学習することは同じです。ひとつだけ違うものがあります。それは、「自立活動」です。歩く練習や見る練習などをします。見えにくくても上手に生活するための学習をする時間があります。人数が少ないので、中・高の体育や音楽は一緒に学習しているものもあります。ただし、理療科には専門の教科があります。


遊びや運動

休み時間には、みなさんと同じような遊びをしていますが、目印をつけたり、音が出るようにしたりしています。ボールを使った運動では、空中を飛んでくるボールの動きはわからないので、ボールを転がすルールにしています。バレーボール、野球、卓球などすべてボールを転がします。ボールの中に鈴を入れ、その音をたよりに動くものがあります。たたいたりして衝撃をくわえると音楽が流れるメロディボールもあります。


学校行事

体育大会や文化祭、弁論大会など、いろいろな学校行事があります。幼稚部の幼児から高等部の生徒まで、みんなが協力し、楽しんでいます。体育大会では赤白の二色に分かれ、毎年、熱戦を繰り広げています。徒競走、綱引きはもちろんのこと、みんなが楽しめる種目もたくさんあります。全盲の人は、伴走者(全盲の人が安心して走れるよう、周りの状況を知らせる人)と一緒に走ります。文化祭では、舞台発表やアトラクションがあります。弁論大会で優秀な成績をおさめた人は、近畿大会、全国大会などに出場することができます。

  


部活動

野球部、卓球部、フロアバレーボール部、陸上部、水泳部、音楽部、茶華道部があります。生徒の人数が少ないので、いくつもの部活に所属している人もいます。運動部では、皆さんと同じように走ったり、跳んだり、ボールを使ったりしてスポーツを楽しんでいます。ただ、盲人用のスポーツであるため、ルールが少し異なります。球技は主にボールを転がしてプレーします。陸上競技などは音を頼りに走ったりします。ルールは全盲のプレーヤーが試合の中で不利にならないように考えられています。それぞれの部活には大会もあります。その大会に向けて日々汗を流して頑張っています。文化部は主に文化祭に向けて活動していますが、近畿地区で発表する機会もあります。

  


校舎の様子

みなさんの学校と同じように、理科室、技術室、家庭科室、美術室、音楽室、体育館があります。教室は、人数が少ないので、小さめです。廊下のところどころに点字ブロックがあります。点字ブロックには、危険を知らせる「停止ブロック」と進む方向を知らせる「誘導ブロック」があります。玄関や校門には、場所を知らせる「音声誘導装置」がついています。

盲学校の生徒は、目が不自由なので、不便なこと、できないこともありますが、楽しく学校生活を送っています。街の中で、点字や点字ブロックを見かけたら、盲学校で学んでいる友達のことを思いだしてください。


校歌

こちらから、オルゴール曲を聴くことができます。

昭和32年3月2日、校歌を制定しました。訓盲学舎創立当初は、官立東京盲学校の校歌を歌っていましたが、大正10年独立校舎の新築を祝した歌を校歌としてしばらく歌われていたようです。しかし、いずれも時代に不調和の嫌いもあって、その後長く歌われていませんでした。盲児たちが喜んで歌う校歌を制定したいという声は、何年も以前から話題となっていましたが実現しませんでした。偶々当時PTA役員江守清喜氏の応援もあって、元県立図書館長の加藤与次兵衛氏に作詞を、福井大学の元助教授 大給正夫氏に作曲を、各々依頼して、現在の校歌を作成し、盛大な発表会を開きました。

福井県立盲学校五十年誌(昭和38年10月発行)より


校章

(昭和31年12月24日一部改正)

福井県と関係の深い「雪の輪」に、点字の「六つの点」を分散させ、中央に図案化した「盲」の字をおいたものです。

旧校章

(昭和8年9月25日制定)


校訓

創立百周年を記念して幼児児童生徒とその保護者、教職員に公募し、検討を経て選ばれました。

幼稚部から大人まで、幅広い学びあいと、障害を越えた助けあい、みんなが一体となって奏でるハーモニー(響きあい)を表し、あいは「愛」と「eye」をかけています。

(平成25年9月29日制定)